葡萄の花房から――ささきふさとその周辺

大正から昭和にかけて活躍した女性作家、ささきふさと、その周辺の人、作品について語ります。

次兄、長岡義夫

前の記事から一年以上も経ってしまった。 お陰で、前の文体をすっかり忘れてしまった・・・。 全く別人のような文章になるかもしれないが、今回は、大橋房子=ささきふさのもう一人の実兄、義夫についてまとめておく。 長兄隆一郎と房子は、十六歳離れている…

長岡隆一郎『官僚二十五年』から見る長岡家

ふさの生家、長岡家のことを探っています。 長岡安平・とら夫妻の長男が隆一郎(明治17-昭和38)です。 ただし、初子ではなく、上に二人の姉がいます。 隆一郎については前記事で略歴を掲げました。 内務官僚として長年活躍した人物だけに、ふさの家族…

長岡隆一郎の略歴

■略歴■ 明治十七(1884)年1月、長岡安平、とら夫妻の第三子として東京市に生まれる。 麹町区鞆絵小学校、東京府立尋常中学校(在学中に府立第一中学に改称)、第一高等学校を経て、東京帝国大学法科大学独法科に学ぶ。 明治四十(1907)年11月、大学在学中に高…

『人事興信録』という書物

ふさがどのような家庭に育ったのでしょうか。 その手がかりを求めるために、まず紳士録、人名録の類を引いてみるのですが・・・ 『人事興信録』なる書物があります。 明治三十六年から刊行開始。なんと平成二十一年まで刊行されていたとのことです。 大正年…

実父、長岡安平

ふさの実の父は、長岡安平(ながおか やすへい、1842-1925)です。 明治・大正期に活躍した、日本の公園デザインの先駆者として知られています。 ■経歴■ 1842(天保13)年、肥前国大村藩に、藩士の子息として出生。 1870(明治3)年、郷里の先輩で、明治新…

「ささきふさ」とは誰か?

ささき ふさ(明治30=1897年12月6日~昭和24=1949年10月4日) 大正時代から昭和戦前期にかけて活躍した、女性作家です。 大正10=1921年に断髪したことでも、世間の注目を集めました。 ささきふさ。本名佐佐木房子。 東京市に生まれました。 実父は「…